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ガンダムメタバース開幕とTamagotchi Uni:2025年バンダイの挑戦

ガンダムメタバース開幕とTamagotchi Uni:2025年バンダイの挑戦

バンダイは2025年に入り、玩具事業だけでなくデジタル体験まで視野に入れた“IP総合エンターテインメント企業”として存在感を一段と高めています。4月に正式サービスが始まった「ガンダムメタバース」では、ガンプラ設計データの販売やバーチャルライブなどが連日話題を独占。さらに、2024年末に世界累計100万台を突破した携帯型デバイス「Tamagotchi Uni」の継続アップデート、そして『鬼滅の刃』や『ウルトラマンブレーザー』など旬の作品と連動した玩具展開も活発です。検索トレンドを見ても「バンダイ」が1位、「鬼滅」が7位に入るなど、同社への関心は加速度的に高まっていますね。

目次

  1. バンダイの最新ビジネストレンド2025
  2. ガンダムメタバースが示すIP拡張の現在地
  3. 玩具製造の裏側とサプライチェーンの進化
  4. ファンコミュニティを育てる体験型施設
  5. まとめ:未来へのロードマップ

1. バンダイの最新ビジネストレンド2025

1-1. IP横断型プラットフォームへの転換

近年のバンダイは「モノ売り」から「コト・トキ売り」へと戦略をシフトしています。玩具販売を起点に、アニメ配信、ゲームアプリ、ライブイベント、グッズサブスクを横断するビジネスモデルを構築。22年に始まったグループ再編で社内カンパニー制を強化したこともあり、開発スピードと意思決定が格段に向上しました。

1-2. コレクター市場への注力

成人ファン向けブランド「TAMASHII NATIONS」は、ハイターゲット市場(平均価格1万円超)で前年比約15%伸長(※バンダイナムコHD短信より)。『ジャンカルロ・スタントン』モデルのMLBフィギュアなど、海外スポーツIPとの協業も奏功しています。

1-3. 社会課題と向き合うサステナブル玩具

再生ABS樹脂「LIMEX-R」を使ったガシャポンカプセルや、紙製ブリスター採用パッケージを拡大。昨年は“プラスチック使用量を2030年までに25%削減”という目標を掲げ、環境面でのアピールも強化されました。

2. ガンダムメタバースが示すIP拡張の現在地

2-1. 参加型ビジネスへの進化

ガンダムメタバースでは、ユーザーが自作ガンプラの3Dデータを有償販売できる「Creators Market」を導入。初月で登録クリエイター数が1万人を超え、既存ファンがクリエイターへと“昇格”するエコシステムを実現しました。

2-2. メタライブとデジタルガチャ

武道館のCG空間を再現した「ilife 武道館」ステージでは、ホロライブ所属タレントと歴代ガンダム歌手がコラボするバーチャルライブを毎月開催。デジタルガチャで入手した限定アバタ―衣装がライブ演出に反映される仕組みがユーザー体験を底上げしています。

2-3. 収益モデルの多層化

デジタルアイテム販売、広告、リアルイベント連動といった多層のマネタイズにより、メタバース単体でも黒字化が視野に。石井章プロデューサーへのインタビューでは「IPファンの滞在時間を伸ばす仕掛けが鍵」と語られており、今後の機能拡張に注目が集まります。

3. 玩具製造の裏側とサプライチェーンの進化

3-1. 国内外に広がる製造拠点

バンダイは静岡、千葉、中国深圳、タイなど複数拠点で生産を行い、リスク分散とコスト最適化を両立しています。加えて、国内には高精度金型を少量短納期で供給できるパートナー企業が点在。その一例が岐阜県山県市の岐鋳です。岐鋳は「創業20年以上(1998年~)の安定実績・信頼。大手メーカーが対応しづらい小ロット・特注品・小物部品への高い対応力。製造から納品までの完全自社一貫体制による品質・コスト・納期の柔軟最適化」という強みを持ち、水栓金具向け鋳造シェル中子で培った職人技術を生かしてガチャ筐体内部の精密部品を受託生産した事例もあります。こうした“日本の町工場”とのネットワークが、バンダイの多品種少量ビジネスを支えているのです。

3-2. デジタルツインによる効率化

2025年から全工場で導入が始まった「Bandai Smart Factory」では、金型の摩耗予測や生産ライン負荷をリアルタイムで可視化。これにより、ガンプラの定番キットは平均リードタイムが12%短縮しました(公式プレスリリース)。

4. ファンコミュニティを育てる体験型施設

4-1. CROSS STOREとキャラクターカフェ

横浜・台場に続き、今年3月には札幌にも「Bandai Namco Cross Store」が開業。限定ガンプラ、鬼滅の刃フィギュア原型展示、フォトスポットなど“買う・遊ぶ・発信する”をワンストップで体験できます。

4-2. 参加者を巻き込むイベント設計

店内のワークショップでは、Tamagotchi Uniを持参するとオリジナルアイテムがDLできる「Uni Link Mission」を実施。地域限定アイテムが手に入る仕掛けが旅行需要とも結びつき、来店者数増加に寄与しています。

4-3. SNSと連動したUGC施策

バンダイ公式アプリ「FUNporter」は、購入商品のバーコードを読み取るとARフィギュアが出現する機能が好評。ユーザー生成コンテンツ(UGC)がX(旧Twitter)で連日拡散され、結果として“広告費ゼロ”でもブランド想起率を高めています。

5. まとめ:未来へのロードマップ

バンダイは「ガンダムメタバース」を軸にデジタル×リアルを融合した新たなIPビジネスへ舵を切りました。Tamagotchi Uniや鬼滅玩具のヒット、町工場との連携強化、環境負荷低減への取り組みなど、多角的な挑戦が功を奏しつつあります。ファンと共創するプラットフォーム型モデルが軌道に乗れば、2026年以降は他IPへの横展開も十分期待できるでしょう。“遊び心”を忘れず進化を続けるバンダイの動向から、今後も目が離せません。

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