鋳造技術の要|シェル中子とは?蛇口製造で使われる理由とメリットを解説
蛇口に宿る、精密な技術。シェル中子が創る、流れるような品質。
蛇口製造におけるシェル中子の重要性について、以下の内容を解説します。
- シェル中子とは何か?
- 複雑形状部品の成形に強い理由
- 耐久性・寸法精度を要求される部品の設計ポイント
シェル中子のメリットを理解しましょう。
シェル中子とは何か?
鋳造において、製品の内部に空洞を作るために使用されるのが「中子」です。鈴のような中空構造を持つ製品を作る際に、金属を流し込む前に主型の中に設置され、冷え固まった後に取り除かれます。中子は製品の形状を決定づける役割を担っており、その種類は多岐にわたります。
シェル中子とは?鋳造技術の要を分かりやすく解説
鋳造技術において「シェル中子」は、特殊な「シェルモールド法」によって製造される中子であり、その高い精度と品質から、現代の鋳造技術を支える役割を担っています。
シェル中子は、高温に熱した金型に、特殊な樹脂でコーティングされた砂(レジンコーテッドサンド)を吹き付けて成形されます。この製法により、砂型でありながら金型鋳造に匹敵するほどの寸法精度を実現できるのが最大の特徴です。また、薄く貝殻(シェル)のような形状になることからこの名がつきました。シェル中子の主なメリットは以下の通りです。
- 精度が高い:金型鋳造並みの寸法精度を実現
- 保存・管理が容易:吸湿性が低く、長期保存や運搬に耐える
- 鋳肌が綺麗:表面を滑らかに仕上げることが可能
- 大量生産に向く:効率的な生産が可能
一方で、大型鋳物には不向きであったり、製造時に臭気が発生したりするデメリットも存在します。しかし、その精度の高さから、自動車部品や蛇口など、特に精密さが求められる製品の製造に広く活用されています。
蛇口製造におけるシェル中子の重要性
蛇口は、私たちの日常生活で水を供給するために、非常に高い精度と耐久性が求められる製品です。そのため、蛇口の製造においては、精密な内部構造を実現できるシェル中子が重要な役割を果たしています。
シェル中子を用いることで、蛇口内部の複雑な水路やバルブ機構といった、加工が難しい形状も高精度に鋳造することが可能です。これは、シェルモールド法という特殊な鋳造技術によって実現されます。これらの特性により、蛇口製造におけるシェル中子は、高品質で信頼性の高い製品を生み出すために不可欠な技術といえるでしょう。
複雑形状部品の成形に強い理由
シェル中子を用いたシェルモールド法は、鋳物の複雑な形状を実現するうえで非常に有効な技術です。その理由は、金型に特殊な砂を吹き付けて焼成することで、薄くても強度の高い「シェル(貝殻)」状の鋳型を作り出せる点にあります。
高い寸法精度
シェル中子を用いた鋳造は、その製造方法に由来する高い寸法精度が大きな特長です。具体的には、シェルモールド法で製造された中子は、砂型でありながらも金型鋳造と同等の精度を実現できるとされています。これは、シェル中子の素材であるレジンコーテッドサンド(RCS)が、フェノール樹脂などの合成樹脂でコーティングされており、これが砂粒同士を強固に結合させるためです。
この強固な結合により、鋳造時の金属の流動や凝固によって型が変形したり崩れたりするのを防ぎ、複雑な形状であっても設計通りの寸法で製品を成形することが可能になります。このように、シェル中子を使用することで、自動車部品や水栓金具といった、高い寸法精度が求められる製品の製造において、安定した品質での生産が可能となります。
優れた表面仕上げ
シェル中子を用いたシェルモールド法は、鋳物の表面を非常に綺麗に仕上げられるのが特長です。この滑らかな表面は、製品の外観における美しさだけでなく、機能面においてもメリットをもたらします。シェルモールド法で鋳造された製品は、以下のような理由で美しい表面に仕上がります。
鋳肌の美しさ
シェルモールド法は、高温に熱した金型に特殊な砂(レジンコーテッドサンド)を吹き付けて鋳型を形成します。この工程により、鋳肌が滑らかになり、細かなディテールまで綺麗に再現されます。
精密な輪郭
薄い貝殻状の鋳型(シェル)で形成されるため、金属の膨張にも強く、製品の輪郭がくっきりとシャープに仕上がります。
この優れた表面仕上げは、特に蛇口などの水栓金具において、デザイン性を高めるだけでなく、清掃性やメンテナンス性の向上にも寄与します。また、後工程での研磨やメッキ処理などの表面処理の負担を軽減できる場合もあり、コスト削減にもつながる可能性があるでしょう。
複雑な形状への対応力
シェル中子を用いることで、従来の鋳造方法では難しかった複雑な形状の製品も、高い精度で製造することが可能になります。特に水栓金具のように、内部に空洞を持つ製品や、デザイン性の高い製品の鋳造においては、シェル中子の果たす役割は非常に大きいといえるでしょう。
岐鋳では、これまで200個以上の型を作成してきた経験を活かし、お客様の多様なニーズに応じたシェル中子を製造しております。水栓金具をはじめ、様々な製品の複雑な形状に対応し、高品質な鋳造を実現するためのお手伝いをいたします。
この技術により、従来の砂型鋳造や金型鋳造では難しかった、自動車部品や水栓金具などの複雑なデザインを持つ製品も、高い精度で安定して製造することが可能です。
耐久性・寸法精度を要求される部品の設計ポイント
蛇口やバルブなどの水栓金具は、高い耐久性と寸法精度が求められる部品です。これらの要求を満たすためのシェル中子設計におけるポイントは、主に以下の点が挙げられます。
材質選定
シェル中子に使用されるRCS(レジンコーテッドサンド)は、珪砂を主成分としますが、用途によっては特殊砂の使用も検討されます。製品に求められる耐熱性や強度、コストバランスを考慮した材質選定が必要です。
形状の最適化
複雑な形状であっても、シェルモールド法は高い寸法精度で再現可能です。しかし、中子の強度や鋳造時の湯流れを考慮した設計が、製品の品質に大きく影響します。
中子の固定方法
鋳造時に中子がずれると製品の肉厚が偏るため、主型への確実な固定が不可欠です。固定方法の設計も、最終的な製品精度に影響を与える要素となります。
熱膨張への考慮
鋳造時には高温の金属が流し込まれるため、使用される砂の熱膨張特性を理解しておく必要があります。特に珪砂は570℃付近で急激な熱膨張を示すため、これを考慮した設計が求められます。
これらの設計ポイントを抑えることで、耐久性・寸法精度に優れた高品質な鋳物製品の製造が可能です。
蛇口に使うシェル中子なら岐鋳にご相談ください!
水栓金具、いわゆる蛇口の製造には、製品内部の複雑な形状を実現するために「シェル中子」が不可欠です。岐阜県山県市に拠点を置く岐鋳では、このシェル中子の製造に長年特化しており、お客様の多様なニーズにお応えしています。岐鋳の強みは以下の通りです。
小回りの利く対応力
大物を扱う製造会社では難しい、小物や小ロット生産にも対応可能です。20年以上培った技術と経験で、お客様の製品に最適なシェル中子を提供いたします。
一貫した生産体制
製造から納品まで一貫して行うことで、安定した品質と迅速な納品を実現しています。
コスト削減への貢献
長年の経験とノウハウを活かし、お客様の製品コスト削減に貢献いたします。
蛇口をはじめとする水栓金具の鋳造において、シェル中子の選定や製造でお困りの際は、ぜひ岐鋳にご相談ください。
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蛇口などの水栓金具のシェル中子の製造は技術の岐鋳へ
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