
シェル中子の特徴・作り方と製造依頼のポイントを解説
シェル中子の特徴・役割とは?具体的な作り方や製造依頼のポイントも解説
製造業において、高品質な製品を効率的に生産することは重要な課題です。特に鋳造業界では、複雑な形状の部品を精密に作り上げる技術が求められています。その中で、シェル中子は非常に重要な役割を果たしています。こちらでは、シェル中子の特徴から作り方、そして外注時に確認すべきポイントまで解説していきます。
シェル中子の特徴・役割とは

シェル中子は、鋳造工程において重要な役割を果たす部品です。シェル中子とは、鋳物の内部に空洞や複雑な形状を作り出すために、鋳型の中にはめこむ中子の一種です。高温の金属を流し込む際に、シェル中子が製品内部の空洞を形成します。その精度と品質が、最終製品の性能に大きく影響するのです。
シェル中子の使用により、複雑な形状や高精度な部品の製造が可能となります。特に自動車産業や水栓金具などの高度な技術を要する分野で重宝されています。
シェル中子は、シェルモールド法によって製造されます。シェルモールド法とは1944年にドイツで考案された造型法で、高温の金型に珪砂とレジンを混ぜたRCS(レジンコーテッドサンド)を吹き込みます。完成した鋳型は、二枚貝の殻(シェル)のような形状になるのが特徴です。
シェルモールド法には、以下のようなメリットがあります。
高精度な製品製造が可能
シェルモールド法で作られる型は、精度の高さが特徴です。これにより、精密な製品の製造が可能になります。例えば自動車のエンジン部品など、高い寸法精度が要求される部品の製造に適しています。
保存性と取り扱いの容易さ
乾燥した状態で吸湿性が低く、保存性に優れています。また取り扱いも容易で、運搬時の損傷リスクが低いという利点があります。
大量生産への適合性
大量生産に適しており、生産効率の向上につながります。
このようなメリットを持つシェルモールド法により製造されたシェル中子は、多くの鋳造製品で使用されています。高品質な製品を効率的に生産したい企業にとって、シェル中子は魅力的な選択肢といえます。
シェル中子の選択は鋳造の品質や生産性に大きな影響を与えるため、適切な設計と製造が求められます。製造依頼の際には、求める精度や生産量、コストなどを考慮し、最適なシェル中子を選ぶことが重要です。
シェル中子の作り方・製造プロセス
シェル中子の製造プロセスは、高度な技術と精密な工程管理が必要です。以下に、その主要な工程を詳しく解説します。
原料の準備
シェル中子の製造には、RCS(レジンコーテッドサンド)を使用します。RCSは、珪砂などの骨材にレジン(フェノール樹脂)やヘキサミンという硬化剤を混ぜて製造されます。フェノール樹脂は熱硬化性樹脂の一種で、加熱により硬化する特性を持っています。適切な原料の準備が、高品質なシェル中子の製造の基礎となります。
金型への充填と加熱
シェル中子の作り方において、金型への充填と加熱は重要な工程です。この段階でシェル中子の形状と品質が決定されるため、細心の注意を払って作業を進めます。まず、加熱された金型に中子を製作するためのRCS(レジンコーテッドサンド)を吹き込み、充填します。次に、加熱工程に移ります。この工程では250~300℃で加熱し、砂に含まれる樹脂を硬化させます。
硬化と取り出し
加熱された金型内でRCS(レジンコーテッドサンド)が硬化し、シェル中子が形成されます。金型を外し、完成したシェル中子を取り出します。変形や破損を防ぐため、慎重な取り扱いが必要です。取り出したシェル中子は、品質確認後に次の工程へ移されます。
仕上げ加工
この段階では、主に以下の作業が行われます。
バリ取り
金型から取り出された直後のシェル中子には、バリが発生していることがあります。これらのバリを丁寧に除去し、中子の輪郭を整えます。
表面処理
シェル中子の表面に塗型剤を塗布することで、溶湯の熱から保護、ガスの発生防止などの効果が得られます。
検査
完成したシェル中子の品質を検査します。
保管・梱包
完成したシェル中子は、適切な環境下で保管されます。
これらの仕上げ工程を経て、シェル中子は鋳造工程へと送られます。シェル中子の製造には、熟練した技術者の経験と徹底した品質管理が不可欠です。
シェル中子製造を依頼する際に確認すべきこと

シェル中子の製造には高度な技術と専門知識が必要です。そのため、多くの企業がシェル中子の製造を外部に委託しています。外注することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 専門業者の高度な技術と設備を活用できる
- 自社の設備投資を抑えられる
- 生産量の変動に柔軟に対応できる
一方で、外注には品質管理や納期の問題、コスト面での課題など、注意すべき点は少なくありません。どの製造会社に依頼すればいいのか迷う場合も多いのではないでしょうか。シェル中子の製造を外注する際には、以下のポイントを確認するとよいでしょう。
複数の業者から見積もりを取得
シェル中子製造を依頼する際には、適切な業者選定と綿密な打ち合わせが不可欠です。まず、複数の業者から見積もりを取得し、内容を比較検討することが重要です。単純に費用の安さだけでなく、各工程にかかる費用の内訳や妥当性を精査しましょう。
また、見積もり依頼時の対応から、業者の誠実さや専門性を見極めることができます。不明点への丁寧な回答や、専門的なアドバイスを提供してくれる業者は信頼できる可能性が高いでしょう。
製造能力の確認
製造能力の確認も重要なポイントです。シェル中子の大きさや形状、複雑さによって、各業者の対応可能な生産量は異なります。また、最低ロット数の設定も業者ごとに違いがあるため、希望する製造数量に対応できるかどうかを事前に確認する必要があります。大量生産が必要な場合は、十分な製造能力を持つ業者を選ぶことが重要です。
対応エリア
シェル中子製造を依頼する際は、対応エリアについても注意が必要です。地域限定で対応している業者もあれば、全国規模で対応可能な業者もあります。遠方の業者に依頼する場合、打ち合わせや納品方法について具体的に確認しておくことが大切です。
納期の確認
納期の確認も重要です。シェル中子の製造にかかる期間は、製品の複雑さや数量によって大きく変わります。緊急を要する場合は、短納期対応が可能な業者を選ぶ必要があります。ただし、短納期対応には追加費用がかかる場合もあるため、コストとのバランスを考慮しましょう。
これらの点を総合的に検討し、自社のニーズに最も適した業者を選定することで、高品質なシェル中子の安定供給を実現できるでしょう。
安定した品質のシェル中子をお求めなら長年の実績のある岐鋳へ
シェル中子の基本的な特徴から作り方、外注時の注意点まで解説してきました。シェル中子は、鋳造業界において高品質な製品を効率的に生産するための重要な要素です。中子の製造には様々な注意点があり、高度な技術力を持つ製造会社でなければ対応が困難です。シェル中子の製造見積もりを依頼する際には、製造会社の技術力や実績を十分に確認しましょう。
安定した品質のシェル中子をお求めの方は、岐阜県山県市にある岐鋳にご相談ください。水道の蛇口やバルブを鋳造する際に使用される鋳造用シェル中子の製造を行っております。創業から20年以上にわたり鋳造用シェル中子を製造しており、製造から納品まで一貫して行います。
水道業界に限らず柔軟な対応が可能なメーカーとして、小ロット生産や短納期など様々なご要望に対応しております。シェル中子製造のご相談やお見積もり、ご不明な点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
シェル中子の作り方は岐鋳へお任せください
会社名 | 岐鋳 |
---|---|
住所 | 〒501-2115 岐阜県山県市梅原965 |
営業時間 | 9:00 – 17:00 |
定休日 | 土曜・日曜・祝日 |
TEL | 0581-27-0092 |
FAX | 0581-27-0093 |
事業内容 | 鋳造用シェル中子製造 |
URL | https://official-gichu.com/ |