鋳造に用いられる中子とは?鋳造に必要な中子の製造方法

鋳造に使用される中子とは?鋳造に必要な中子の製造方法も詳しく解説

鋳造において重要な役割を果たすのが「中子(なかご)」です。中子は鋳物の中空部分を形成するために使用される部品で、複雑な形状や内部構造を持つ製品の製造に必要です。

こちらでは、鋳造とはどのようなものか、鋳造における中子の役割や主な製造方法に焦点を当てて詳しく解説していきます。中子の製造を依頼するなら、高い技術力を持つ岐鋳にお任せください。

【鋳造と中子】鋳造とは?

【鋳造と中子】鋳造とは?

鋳造とは、金属材料を溶かして液体状態にし、それを型に流し込んで固めることで目的の形状を得る金属加工法です。型には様々な種類があり、砂を固めて作る砂型、金属を削って作る金型、さらに樹脂型や石膏型などが存在します。これらの型は鋳型と呼ばれ、鋳型を用いて製造されたものは鋳物と称されます。

鋳造技術の歴史は古く、紀元前4,000年頃にメソポタミア地方で始まったといわれています。産業革命以降は急速に発展し、現代の製造業に不可欠な技術となっています。

鋳造の最大の特徴は、複雑な形状や中空構造を持つ部品を一度に作り出せる点です。また、大型の製品から小型の精密部品まで、幅広いサイズの製品に対応できることも鋳造の大きな利点です。これらの特徴により、製造コストの削減や生産効率の向上が可能となります。

鋳造の主な工程は以下のとおりです。

  • 溶解:原料となる金属を溶かします。
  • 注湯:溶けた金属を鋳型に流し込みます。
  • 冷却:型の中で金属を固まらせます。
  • 型ばらし:固まった製品を型から取り出します。
  • 仕上げ:必要に応じて表面処理や加工を行います。

鋳造は、自動車部品、機械部品、建築資材など、私たちの身のまわりにある多くの製品の製造に欠かせない技術です。特に、エンジン部品などの複雑な内部構造を持つ自動車部品の製造には、鋳造技術が不可欠です。

鋳造に使用される中子とは?

鋳造に用いられる中子の役割

鋳造において、中子(なかご)は非常に重要な役割を果たします。中子とは、鋳物の内部に空洞や複雑な形状を作り出すために使用される、砂などで作られた型のことです。

中子の主な役割は以下のとおりです。

中空構造の形成

  • 鈴のような中空の鋳物を作る際に使用
  • 金型内にセットされ、溶湯が流れない空間を確保

複雑な内部形状の実現

  • エンジンのシリンダーヘッドなど、複雑な内部構造を持つ部品の製造に使用
  • 複数の中子を組み合わせることで、より複雑な空間を形成

製品の軽量化

  • 中空構造により、製品の重量を軽減
  • 自動車部品などで特に重要

中子の基本的な使用プロセスは以下のようになります。

1.中子の製造

砂などの材料で所望の形状に成形

2.中子の配置

中子を主型の中に正確に配置

3.注湯

溶かした金属を型に流し込む

4.冷却・固化

金属が固まり、製品の形状が定まる

5.中子の除去

振動などにより中子を砕き、製品外へ排出

中子の使用により、複雑な内部構造を持つ製品の製造が可能になります。これにより、自動車のエンジン部品や各種機械部品、水栓金具など、高度な性能と軽量化が求められる製品の製造に大きく貢献しています。

中子を使用することにより、鋳造製品の設計の自由度が大きく向上し、より効率的で高性能な製品の開発が可能になっています。

鋳造用中子に求められる特性

鋳造において中子は重要な役割を果たしますが、高品質な製品を得るためには、中子自体にもいくつかの重要な特性が求められます。以下に、中子に必要とされる主な特性をご紹介します。

強度

中子は、鋳造時に溶融金属の圧力に耐える必要があります。そのため、十分な強度を持っていることが不可欠です。特に、複雑な形状や薄肉部分を持つ製品では、この特性がより重要となります。

耐熱性

高温の溶融金属と接触するため、中子には優れた耐熱性が求められます。溶融金属の温度に耐えられない中子は、変形や崩壊の原因となります。

崩壊性

鋳造後、製品を鋳型から取り出す際に、中子は振動や衝撃で容易に除去できなければなりません。そのため、適度な崩壊性を持つことが重要です。崩壊性が悪いと、製品から中子を取り除く際に余分な労力がかかったり、製品を傷つけたりする可能性があります。

これらの特性のバランスを取ることが、高品質な中子製造の鍵となります。製品の要求品質や生産条件に応じて、これらの特性を適切に調整することが重要です。

鋳造に必要な中子の製造方法

鋳造に必要な中子の製造方法

鋳造に必要な中子の製造方法として、こちらではシェル中子の製造方法を例として解説します。

シェル中子は、シェルモールド法という技術を用いて製造されます。基本的な製造の流れは以下のとおりです。

原料の準備

中子は砂で作られており、シェル中子の製造には、特殊な砂であるRCS(レジンコーテッドサンド)が使用されます。RCS(レジンコーテッドサンド)は、珪砂に熱硬化性樹脂(主にフェノール樹脂)をコーティングしたものです。この原料の準備が、最終的な製品の品質に大きく影響します。

金型の準備と砂の充填

製造には精密に加工された金型が使用されます。まず、この金型を所定の温度に加熱します。その後、加熱された金型にRCS(レジンコーテッドサンド)を吹き込み、充填します。この工程は、中子の形状と品質を決める重要なステップです。

焼成と硬化

充填が完了したら、金型内の砂を加熱し、焼成を行います。この温度で樹脂が熱硬化反応を起こし、砂粒子同士が強固に結合します。また、反転焼成を行うことで中子の外側のみを硬化させ、内部の未硬化の砂を排出します。この工程によって中子が中空構造となります。

中子の取り出しと仕上げ

焼成が完了したら、中子を金型から取り出します。取り出した中子はバリ取りを行い、表面に付着した余分な突起物を除去します。その後、表面処理や二次焼成を行い、水分を完全に除去して強度を向上させます。

品質検査

完成した中子は品質検査を受け、合格した中子は、湿気や衝撃から保護された環境で保管されます。

このように、中子の製造は高度な技術と精密な工程管理が求められます。今後も技術の進歩により、さらなる品質向上と効率化が期待されています。

鋳造用シェル中子の製造なら岐鋳にお任せ!小ロット・短納期に対応

鋳造技術は、溶かした金属を型に流し込んで固めることで様々な形状の製品を作り出す方法であり、自動車や機械部品の製造に広く利用されています。鋳造における中子は、鋳物の中空部分や複雑な内部構造を形成するために不可欠な部品です。

中子は砂などで作られ、強度や耐熱性、崩壊性といった特性が求められます。シェル中子の製造では、特殊な砂を加熱し硬化させて中空構造を作ります。高品質な中子の製造には、熟練した技術者の経験と精密な工程管理が必要です。

鋳造用シェル中子の製造を依頼するなら、岐鋳にお任せください。岐阜県山県市に拠点を持つ岐鋳では、水道の蛇口やバルブなどの鋳造に使用される鋳造用シェル中子の製造を行っております。創業から20年以上、鋳造用シェル中子の製造を手がけてきた豊富な経験と実績を活かし、製造から納品まで一貫して対応いたします。大物を扱う製造会社では対応しづらい小物の製作や小ロット生産、短納期にも対応可能です。水道業界をはじめ、全国の法人様の様々なニーズにお応えしますので、鋳造用シェル中子製造のことならお気軽にご相談ください。

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