
鋳造用中子の主な種類とは?特徴を詳しく解説
鋳造用中子の主な種類とそれぞれの特徴を徹底解説
鋳造の過程で重要な役割を果たすのが「中子」です。中子は、鋳物の中空部分や複雑な形状を作り出すために使用される型の一部です。中子には様々な種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。こちらでは鋳造用中子の主な種類や特徴について、鋳造用シェル中子の製造を行う岐鋳が詳しく解説します。
鋳造に用いられる中子とは

鋳造工程において、中子は非常に重要な役割を果たす要素です。中子とは、鋳物製品の内部に空洞や複雑な形状を作り出すために使用される部品のことを指します。例えば、円筒型やツボ型の製品を想像すると、中子の役割がよりわかりやすくなるでしょう。
中子を用いて作られる製品には、以下のようなものがあります。
- 自動車部品
- 建設機械部品
- 水栓金具
- 水道管
私たちの日常生活でよく目にするものとしては、水道の蛇口やバルブがあります。また、自動車のエンジン部品や複雑な形状を持つ機械部品も、中子を組み合わせて製造されることが多いです。
中子を使用する主な目的は、製造効率の向上にあります。中子を使わずに鋳造後に機械加工で空洞を作る方法もありますが、この方法では時間がかかり、また削り取った金属が無駄になってしまいます。そのため、鋳造時に中子を鋳型内にセットすることで、最初から空洞部分を形成した状態で製品を作ることができます。
しかし、中子の使用には高度な技術と細心の注意が必要です。中子を鋳型内に正確にセットすることは、非常に難しい作業です。中子がずれたり、不安定な状態になったりすると、製品の肉厚にばらつきが生じてしまいます。また、接着した中子が落下したり、中子を設置する際に力をかけすぎたりして鋳型が崩れてしまうと、製品の形状が変わってしまう可能性があります。
これらの問題を防ぐため、「巾木(はばき)」と呼ばれる支持部分を設けることがあります。巾木は中子を安定して設置するための重要な要素であり、その設計にも高度なノウハウが必要とされます。巾木の形状や配置を適切に行うことで、中子の安定性が向上し、製品の品質を確保できます。
中子は高温の溶かした金属を注ぎ込む鋳造に用いられるため、優れた耐熱性が求められます。また、鋳型を作る際の振動や注入される溶湯に耐えるための高い強度も必要です。一方で、固まった製品を鋳型から取り出す際には、中子を衝撃で容易に崩壊させることが求められます。
中子を使用した鋳造は、高品質な空洞構造を持つ製品を効率的に生産するための重要な技術です。しかし、その使用には多くの課題があり、経験と技術を要する複雑な工程となっています。中子の設計、製造、設置の各段階で細心の注意を払い、常に品質向上を目指すことが、高品質な鋳造製品を生み出すための鍵となります。
鋳造用中子の主な種類と特徴
こちらでは、鋳造用中子の主な種類をご紹介します。それぞれの特徴を理解し、用途に応じて適切な中子を選択することが重要です。
生砂型中子
生砂型は歴史のある造型法の一つです。主に珪砂と粘結材(ベントナイト)、水などを混合して作られます。主な特徴は以下のとおりです。
- 低コストで大量生産が可能
- 砂を再利用しやすく、再生処理も簡単
- 材料費が安く、有毒ガスが発生しない
生砂型の最大の利点は、材料が比較的安価であることです。材料費が安く、設備投資も少なくて済むため経済的です。そのため、コスト面での制約が厳しい場合や大量生産を行う際に適しています。また、砂の再利用が容易であるため、環境負荷の低減にも貢献します。しかしながら、生砂型には強度面での課題があり、崩壊のリスクがある点がデメリットです。
熱硬化型中子
熱硬化型中子は、熱硬化を利用したシェルモールド法によって作られる中子です。主な特徴として、「RCS(レジンコーテッドサンド)」と呼ばれる特殊な砂を使用することが挙げられます。この砂は、熱を加えることで硬化する樹脂でコーティングされています。
熱硬化型中子の具体的な特徴は以下のとおりです。
- 強度が高い
- 長期保存が可能
- 大量生産に適している
熱硬化型中子の最大の利点は、強度が高い点です。砂を熱で固めることで非常に高い強度を持ち、溶かした金属の熱膨張にも耐えるため、寸法精度が向上します。
自硬性型中子
自硬性型中子は、加熱を必要とせず常温で砂を固めるのが特徴です。代表的なものにフラン自硬性があり、有機系フラン樹脂と硬化剤を用いた脱水縮合反応によって砂を固めます。主な特徴は以下のとおりです。
- 常温硬化のため、加熱設備が不要
- 寸法精度が高い
自硬性型中子の最大の利点は、その高い寸法精度です。生砂型と比較すると、型崩れや熱膨張などのリスクが少なく、寸法精度が高くなります。また、専用の加熱設備を必要としないため、設備投資を抑えることができます。一方で、硬化速度が気温や湿度に左右されやすく管理が難しい点、樹脂や硬化剤のコストがかかるというデメリットもあります。
ガス硬化型中子
ガス硬化型中子は、珪砂と水ガラスを混ぜたもので造型後、炭酸ガスを吹きかけることで急速に硬化させます。主な特徴は以下のとおりです。
- 寸法精度が高い
- 強度が高い
- 砂の再利用は難しい
ガス硬化型中子の最大の特徴は、その高い寸法精度と強度です。また、ガスを通気させるまでは砂が固まり始めないため、時間と共に硬化が進行する自硬性と比較して、造型時間の自由度が高い点もメリットです。
しかし、この方法にも課題があります。最も顕著な問題点は、固めてから時間が経つと強度が落ちてくる点です。また、水ガラスや炭酸ガスを混ぜているため、砂の再利用が難しい点もデメリットです。
最適な鋳造用中子の種類選択のポイント

鋳造用中子の選択は、鋳造の品質とコストに大きな影響を与えます。最適な中子を選ぶためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
製品の求める特性を明確にする
寸法精度・強度・耐熱性など
生産条件を考慮する
生産数量・生産サイクル・設備の制約など
中子の特性を理解する
強度・崩壊性・耐熱性など
コスト面を検討する
材料費・設備投資など
これらの要素を総合的に評価し、最適な中子を選択することが重要です。また、中子の選択は一度決めたら終わりではありません。常に新しい技術や材料の動向をウォッチし、より良い選択肢がないか検討を続けることが大切です。そうすることで、品質の向上とコストの最適化を両立させることができるでしょう。
鋳造用シェル中子の製造なら岐阜県山県市の岐鋳にお任せください
主な中子の種類について詳しく解説しましたが、それぞれに長所と短所があることがわかります。鋳造品の求める品質や生産量、コストなど、様々な要素を総合的に判断して最適な中子を選択することが重要です。
なお、中子製造は高度な技術と経験を要する工程です。そのため、信頼できる製造会社に依頼することが重要です。経験豊富な専門家のアドバイスを受けることで、より適切な中子の選択と製造が可能になります。
岐阜県山県市にある岐鋳は、水栓金具の鋳造用シェル中子の製造が得意な会社です。1998年から20年以上にわたり鋳造用シェル中子の製造を手掛けてきました。小物の製作や小ロット生産など、お客様のご要望に応じて最適な部品をご提案いたします。
中子製造の豊富な経験・実績に基づく確かな技術力と、小回りの利く柔軟な対応が強みです。水道業界だけでなく、全国の法人様のニーズに応えられる部品を製造しております。鋳造用中子の製造をお考えでしたら、ぜひ岐鋳にご連絡ください。
鋳造用中子の種類の選択は岐鋳へご相談ください
会社名 | 岐鋳 |
---|---|
住所 | 〒501-2115 岐阜県山県市梅原965 |
営業時間 | 9:00 – 17:00 |
定休日 | 土曜・日曜・祝日 |
TEL | 0581-27-0092 |
FAX | 0581-27-0093 |
事業内容 | 鋳造用シェル中子製造 |
URL | https://official-gichu.com/ |